アメリカでPCR検査を受けてみた
新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けたことはありますか?私は先日、渡米後に初めてPCR検査を受けました。
まず、今回私がPCR検査を受けた動機ですが、アパートでシェアハウスをするにあたり、日本から飛行機に乗ってやってきた私がコロナに感染していないことをハウスメイトに証明する必要があったためです。
PCR検査は誤陰性などの問題も言われていますが、今回は日本よりもずっと感染が拡大しているアメリカにおいて、人々が日常的に行なっているPCR検査を受けてみた感想とその手順について紹介します。
これから渡米を予定されている方や、アメリカでのPCR検査の実体が気になる方の参考になれば幸いです。
1. 日本とアメリカでのPCR検査に対する違い
1.1 日本でのPCR検査
私は日本ではPCR検査を受けたことがなかったのですが、日本では新型コロナウイルスの感染が拡大し出した2020年3~5月頃などには、コロナかどうか不安だからPCR検査を受けたいのに受けられないというような声を聞くことが多かったように思います。
最近は、日本でもPCR検査を自主的に受けることのできる検査センターなどが増え、PCR検査を受けたくても受けられないというような状況は解消されてきたようです。
ただし、日本でPCR検査を受ける場合には症状のある・なしによって、保険が適用するかどうかが決まり、症状がない場合には全額自費診療であればPCR検査が受けられるという仕組みになっているようです。
日本でのPCR検査についてはこちらに詳しい説明がありました。
PCR検査を自宅で受けられる検査キットもあるようです↓
一方で、アメリカではかなり早い段階からPCRの検査が大々的に行われてきたという違いがあります。日本と異なるのは、アメリカでは誰でも気軽に何度でも無料で検査を受けることができるという点で、万が一陽性となっても保険で全額カバーされ治療費は無料です。
※ただし、アメリカでは国民皆保険制度がないために、各自で民間保険に加入する必要があり、コロナの検査料や治療費はこの保険によりカバーされるという意味です。そのため、無保険者が新型コロナウィルスの治療を受けようとすると、42,486〜74,310ドル(約470〜820万円)の自己負担が発生するだろうと言われており (出典:COVID-19 hospital bills could cost uninsured Americans up to $75,000)、新型コロナウィルスに感染しても医療保険を持っていなければ治療を受けられないという格差問題にも繋がっています。
2. アメリカでPCR検査を受ける方法
先ほど、アメリカの保険制度の話をしましたが、私は大学の提供する保険に(自動で)加入しているため、今回PCR検査は大学の体育館で受けてきました。アメリカの大学は、学内に検査施設を有していて学生や教職員が無料でPCR検査を受けることのできるようになっていることが多いと思いますので、留学/進学で渡米をする人は大学のホームページから探してみてください。
その他にも、検査場所によっては、ドライブスルーで車に乗ったまま検査を受けられる場所や、事前予約なしで行えるところ、検査結果が出るまでの日数が早い検査所などいろいろなタイプがあるようです。
カリフォルニア内で無料で検査を受けられる施設はこちらから調べることができます。
3. アメリカでのPCR検査の手順
では、今回PCR検査を予約してから検査結果が出るまでの流れを以下に紹介します。
3.1 予約
まずは、大学のヘルスケアセンターのホームページからPCR検査の予約をしました。
COVID-Testingの項目を選択し、
これまでに陽性の検査結果があったことがあるか?という質問に答え、
新型コロナウイルス感染症陽性の疑いがある症状がみられるかどうかに答えます。
そして、これまでにコロナウイルス陽性者と接触した恐れがあるか、そのような通知が来たかどうかを聞かれます。
大学内には複数の検査施設がありますので、自分が検査を行いたい場所を選択します。ちなみに、一番下の項目は最近新しく足されたもので、ドライブスルー方式での検査が可能なようです。
最後に日時の選択をします。時間は8:00から5分刻みとなっていて、予約が取れないというような状態は全くみられませんでした。
3.2 検査当日
検査当日は指定された時間と場所に向かうだけで、特に持ち物等は必要ありませんでした。写真左のような大きな体育館が全て検査所となっており、体育館の扉は全開で風通しは非常に良かったです。
まず、学籍番号等の個人情報を確認され、写真右のテストキットを一つ受け取り、検査スタッフの案内に従って、ビニールのパーテーションで区切られた検査台に向かいます。
私は今回初めて検査を受けたので、勝手がわからずにスタッフの人に教えてもらった通りに行ったのですが、周りの学生は慣れている人も多いようで、テキパキと検査を行なって帰っていく様子が見受けられました。
検査の手順については大学のホームページに下の動画がありましたので、気になる方はこちらをご覧ください↓。
3.3 検査結果
検査結果は検査から2~3日後に学内メールを通して伝えられると言われ、私の場合は2日後に結果が届きました。
コロナらしき症状がなかったので陰性だろうとは思っていたのですが、下のようなメールが届いてから、ポータルサイトにログインして結果を確認するまでは少しドキドキしました。
ログインして、確認してみたところ、Negativeという診断結果が出ました。
4. PCR検査を受けてみての感想
今回初めてPCR検査を受けてみて感じたことは、システムが非常に簡略化されていて、誰でも簡単に検査ができるようになっているということでした。
日本にいたときには、PCR検査をすることでそれが検査所でのクラスターを引き起こし更なる感染の増加に繋がるというような話を耳にしたこともありました。
しかし、今回私が検査をしに行った体育館では、5分刻みの細かい予約設定によって会場内の人数が少なく保たれており、会場内も常にドアが全開で風通しが良かったので、ここに検査をしにいくことによってコロナに感染するというリスクは少ないように感じました。
PCR検査は誤陰性となる可能性があることなど、その検査制度自体が問題視されることもあります。しかし、アメリカではコロナ検査の結果を提示をしないと会社や学校に行けないというような場合が多く、コロナ感染が疑われなくても定期的にPCR検査を行う必要があります。そのため、PCR検査に代わるより高性能で簡単な検査方法などが確立されるまでは、しばらくPCR検査が主な検査方法として使用されるのではないかと思います。
私もキャンパス内の研究室に行く際には陰性であることを示す必要があるため、これからも定期的にPCR検査を受けることになると思われます。
今回はアメリカでのPCR検査のシステムについて紹介をしました。これから渡米を予定されている方や、アメリカでのPCR検査の実体が気になる方の参考になりましたら幸いです。