Life in Berkeley アメリカ大学院留学記

2021年からUCBのPh.D.課程にて研究留学中 <進学準備、研究生活、日常生活を紹介します>

SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)の取得方法

この記事ではアメリカで大学院生をするなら必須のSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)の取得方法について説明します。

私はコロナ禍で取得したため、通常時とは方法が異なったのですが、通常時とコロナ禍どちらの場合においても対応できるように書いておきます。

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1. SSNとは?

SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)とはアメリカの社会保障(ソーシャル・セキュリティー)を受けるために発行される社会保障局が個人に発行する9桁の固有の番号のことです。元々は徴税用の個人特定が目的として発行されたのですが、戸籍制度のないアメリカでは、SSNは個々の国民を認識するためのIDとしての役割を果たしており、次に挙げるような生活の多くの場面で使用されています。

  • 運転免許の取得
  • クレジット会社に連絡(クレジットヒストリーが作られる)
  • 保険会社に連絡
  • 銀行口座の開設
  • アパート契約
  • 携帯電話の契約
  • 家庭用の一般電話契約
  • 電気、ガス、水道などのユーティリティー契約

この番号は、一生涯、一個人に1つだけ発行される非常に重要な番号なのに、申請をするとカードなどではなく紙に印字されて届きます。紛失しても簡単に再発行してもらえますが、多くの重要な個人情報がSSNに紐付いているので、外部に漏れないよう気を付けることが大切で、他のカードのように持ち歩くものではありません。

2. SSNを申請するタイミング

これからSSNの申請手続きについて説明をしますが、その前にSSNを申請するタイミングについての注意事項を述べておきます。

もし今渡米してすぐにこれを読んでいる人がいるとしたら、SSNの申請は渡米してから最低でも10日は待ってから行った方がいい、新入生の場合は授業が開始してフルタイムの学生となってから10日は待った方が良いという注意書きがBerkeleyのホームページにあったので、ここでも警告しておきます。理由はSSNの申請には正式な入国記録があること、フルタイムの学生であることといった要件を満たしている必要があるため、渡米記録が税関から送られてくるのに遅延があったり、学籍の登録に遅延があったりすると、SSNの申請時に必要条件が満たされていないという扱いになってしまって却下されたり、申請に非常に長く時間がかかるなどの問題が発生する可能性があるからです。

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3. SSN申請の必要書類一覧

次に、申請に必要な書類について説明します。以下はUCBのホームページから取ってきた表ですが、大学院生でSSNを申請をする場合にはどの大学に行っていようが必要書類は同じはずです。ただ、どの大学にもInternational Officeの運営する公式ホームページ(ex: UCBの場合はBerkeley International Office, 通称BIO)があり、そこで留学生に関係のある手続き等については詳細に説明されていると思うので、自分の進学先のホームページで確認してみることをおすすめします。

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必要書類一覧

基本的には留学生として渡米する場合のビザの種類はF-1、M-1もしくはJ-1です。

・F-1:米国の認定大学、私立高校や英語プログラムで教育を受ける学生が取得するビザ

M-1:米国の非学術的または職業的研修、専門学校で教育を受ける学生が取得するビザ

・J-1:米国の雇用主のもとインターンをする学生や交換留学生が取得するビザ

私も含め、Ph.D.課程で進学をしている人は基本的にはF-1ビザを取得していると思います。

表にもある通り、F-1ビザの学生のSSN申請に必要な書類はApplication Form, Passport, I-94 Record, I-20, Employment Letterの5点になります。下に必要書類の詳細と注意事項を書いておきます。

<Application Form>

Application Formというのは下のサイトにリンクすると出てくるSS-5というのをクリックすると、全5ページの書類がPDFでみられると思うのですが、その5ページ目の申請フォームを印刷して必要事項を記入をしてください。(5ページ全部印刷してもいいですが、必要なのは5ページ目だけです)

万が一記入漏れがあっても申請の際に指摘してくれるのであまり心配することはありませんが、私は両親とも日本人なので#9,#10の両親の名前の欄は記入しなくても良いかと思ったのですが、記入するように求められたので、これから申請する人は記入しておいてください。ちなみに、母親の名前は結婚前の旧姓で書く必要があります。(2人とも同じ姓にしたら両親は元々同姓だったのか?と聞かれ、一瞬、え?ってなりました笑)

www.ssa.gov

<Passport>

Passportは原本をそのまま持っていってください。

<I-94 Record>

I-94フォームとは、アメリカ合衆国に入国する外国人の出入国記録情報で、入国時に移民審査官に提出する書類の一つです。2013年までは紙媒体で入国時に提出が必要だったらしいのですが、現在はこちらのWebサイトからオンラインでいつでも確認・取得が可能で、オンライン化されてからは空路・海路でアメリカへ入国する際の提出はなくなりました。

そのため、I-94と聞いてもあまり馴染みがないほとが多いと思うのですが、運転免許証の取得の際やSSNの取得の際に提出が必要になります。

I-94の取得はとても簡単で、こちら↓のWebサイトをクリックしてもらうと下の写真のように入力画面が表示されるため、パスポートを参照して必要な項目を記入してNextを押すと、自分の個人情報が記入されたI-94が表示されプリントアウトできるようになっています。

i94.cbp.dhs.gov

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<I-20>

I-20とは、履修学科、コース期間、登校開始日といった項目が記入されている書類で、日本でいう"在留資格証明書"や"入学・在学資格証明書"に当たります。これは大学からの書類の中に必ずあると思うのでこれ以上説明しませんが、下にサンプルの写真を貼っておきます。

ちなみに、このI-20はペラペラな紙ですが、留学生にとってはpassportと同じくらい大事な書類です。コピーも取って厳重に保管しておいてください。

SSNの申請の際には原本を持っていってください。

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<Employment Letter>

そして、この記事で私が一番伝えたいのがこのEmployment Letterについてなのですが、UCBのホームページを見ていると、こういう↓サンプルが載っており、これを雇い主に頼んで書いてもらうようにとの説明があったのですが、Ph.D.の学生の場合はこのようなレターは必要ありません!!

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Employ Letterのテンプレート

Ph.D.の学生の場合は、プログラム合格時に送られてきたAcceptance LetterがEmployment Letterになります。これも原本を持っていってください。参考までに、Acceptance Letterの例としてYale Universityに合格した学生のサンプルがネットにあったので載せておきました。私がUCBから受け取ったのもこれと同じような内容のものです。

PhD Application | Trevor de Clercq

基本的に上のサンプルレターに書かれていること(学生の名前、プログラム・学科名、学位の種類、プログラム開始時期、雇用主(プログラムディレクター)の名前とサイン)が満たされていれば良いのでAcceptance Letterで十分で、わざわざEmployment Letterを新しく書いてもらう必要はないです。念のため、自分のAcceptance Letterに必要事項が書かれているかを確認してください。

私は何も知らずに、Employment Letterを書いてくれるようにと教授に頼んだのですが、”このようなレターは今まで一度も書いたことがない、雇い主は自分じゃなくて大学だ”と言われ、誰に頼んだら良いのか分からず、Acceptance Letterで良いと気がつくまでに時間がかかってしまったのですが、これを読んだ方は余計なことをして手間取らないように。。笑

また、もちろん、Ph.D.ではなくキャンパス内での就労等で給料が発生する場合には、先ほどのテンプレートを参考に、雇用主からEmployment Letterをもらってください。その場合、UCBの場合には雇用主からのEmployment LetterをInternationao Officeに提出し、そこのスタッフに内容を確認してもらうというステップが必要なようなので、これに該当する人は自分の所属する大学のホームページからそれに関する情報を見つけてください。

4. SSNの申請手順(通常時)

コロナでない通常時のSSNの申請はとても簡単です。

まず、下のサイトからZIPコードで各地域ごとのSocial Security Office(SSNの申請を受け付けてくれる場所)の検索ができるので、最寄りのSSOを見つけてください。

secure.ssa.gov

ちなみに、BerkeleyのSSOは以下のロケーション・電話番号・営業時間になります。キャンパスの西側のダウンタウンの近くです。この営業時間はコロナ禍のものになるので、通常の営業時間になったら変更があるかもしれないのですが、BerkeleyのSSOの壁にはMonday-Friday 9am-4pmと書いてあったので、コロナ禍の今は水曜日だけ営業時間の短縮をしているのかもしれません。

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コロナでない通常時には、必要書類が揃ったら、最寄りのオフィスの営業時間内にそれらを提出しに行くだけです。SSOに入ったらまず自動発券機で来訪の目的(SSNの取得)を選択して受付番号を発券し、その番号が呼ばれるまでオフィス内で待ち、順番が来たら窓口に書類を提出するという流れになります。書類の提出時には提出した書類に関して幾つかの確認をされたり質問をされますが、特に難しいことは聞かれなかったように思います。

全ての質問は思えていませんが、

・SSNの取得理由

アメリカには何年いる予定か?

・最後にアメリカに来たのはいつか?

・VISAの種類の確認と以前同じVISAを取得したかどうか?

などの質問をされました。SSNの取得理由ですが、Ph.D.課程の学生は、給料をもらうため納税する必要があるからと答えておけば良いと思います。

無事申請が完了すると、2週間ほどでSSNが郵送されてきます。

コロナで渡米者が減り新規申請者が減っているのか、私の場合は1週間で届き、とても早かったです。

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5. SSNの申請手順(コロナ禍)

続いて、コロナ禍でのSSNの申請についてです。コロナ禍においても基本的な申請手順は通常時と同じなのですが、オフィスの来訪時に予約が必要という点が大きく異なります。 

コロナ禍ではアメリカはSSOに限らず様々な公共施設が閉まっているので 、基本的になんでもアポイントを取る必要があります。

以下のサイトがSocial Securityの公式サイトになるのですが、新規申請に関する情報とReplacement(カードの取り替え)に関する情報が混在していて、仕組みをよく知らないとちょっと混乱すると思います。公式サイトを見るとmy Social Security Accoutというのを作成するとオンラインで色々な手続きができるというような指示があるのですが、これはReplacement(カードの取り替え)に関しての話なので新規申請の場合は無視してください。

www.ssa.gov

新規申請の場合はオンラインで申請をすることはできず、電話での予約が必要になります。

電話予約をする際には先ほど紹介したSocial Security Office Locatordで最寄りのSSOを見つけ、そこに書いてある電話番号に電話してください(Berkeleyの場合は877-531-4696)。

電話をかけるとまず機械音声に繋がると思いますが、その指示に従って担当者と話すというところまでたどり着いてください。

ちなみに、私の電話したBerkeleyのSSOの機械音声は受話器のボタンを押すだけでなく声を認識してくれる機能があって、中々提示される選択肢の中にAppointmentがなくずっと”その他”を選んでいたら、最終的に機械音声に目的を聞かれ、試しにAppointmentと声に出したらAppointmentにつないでくれました。(どこのオフィスも同じかと思いますが、他のは試したことがないのでわかりません)

声を拾ってくれるのはいいのですが、まさか機械音声との通話で声を拾ってくれるとは知らなかったので、私のように何も知らずに電話するとちょっと戸惑うかと思います。また、機械音声の内容は現場のコロナ禍への対応に合わせたものに切り替わっていないようで、通常SSOを訪ねるのにアポを取る必要はないことから、機械音声の提示する選択肢に予約を取るという項目がなく結構不親切な感じでした。。電話で予約を取る際にはappointという項目がいつまでも現れず本当に予約できるの?と思うかもしれないのですが、提示される選択肢に該当しない場合はずっとその他を選び続けていると、担当者につないでもらえると思います。機械音声のゆっくりとした選択肢の読み上げを全部聞かないといけなくてちょっと面倒なのですが、我慢してやってみてください。

また、ネットでSSNのコロナ禍での取得方法について調べていると、予約しようと電話をかけてもいつまで経ってもつながらないといった悪評レビューが多かったので、かなり心配してオフィスが開く9:00と同時に電話をしたところ私はスムーズに繋がりました。そして、担当者に繋がった際に聞かれたのは名前と生年月日とSSNの申請理由と電話番号でした。

その場ですぐ予約が取れるものと思っていたのですが、なぜか後日折り返し電話で予約が確定すると言われ、何日の何時ごろに来るのかも言われずに切られてしまいました。その後、折り返しの電話で予約日時を伝えられ、その時間に合わせて必要書類を持っていくと通常時と同じ手順で申請手続きをしてもらえました。かなり予約がめんどくさいという印象ですが、予約をしていくため、オフィス内には自分1人しか申請者がおらず、前の申請者が終わり次第受付してもらえるので、通常時のような待ち時間がないという点はプラスかと思います。

ここでは、私の体験を詳細に記載しましたが、地域ごとのオフィスによっては折り返しの電話なくアポイントが取れたり、時間にルーズでなく、もっとしっかりとしたシステムのオフィスもあるかもしれません。ただ、政府機関である社会保障局(Social Security Administration)の管轄下にあるオフィスでさえ、このような適当さがあったりするのがアメリカだと思うので、何があってもあまり驚かず臨機応変に対応してください。。

余談ですが、折り返しの電話なのですが、オフィスの営業開始時刻は9:00なのに、なぜか朝7:00にかかって来て、いきなりその電話で起こされました...笑 しかも、既に朝7:00の電話で予約をとっているのにも関わらず、同日の実験の最中の12:00にもまた別の人から電話がかかって来て、再び予約を取られそうになり、慌てて既に予約があることを説明したらなぜか担当者の方が驚いていて、、このオフィスはどうなっているんだ...とあまりの雑さに驚きました。。まあそこがアメリカなので大して驚いてはいませんが笑

 

下にコロナ禍でのSSNの申請に関する公式ホームページの記載内容の抜粋を添付しているので、原文を読みたい方はこちらをご確認ください。

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